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サンフランシスコ市に無料ホットスポット提供業者として選ばれたGoogleが、ホットスポット利用者にターゲット広告を表示する技術の特許を出願していた。
サンフランシスコ市が計画している全市レベルの無料ワイヤレスネットワークの代価は、「ユーザーに表示される広告の増加」かもしれない。 Googleの最近の特許出願には、無線ホットスポットのユーザーに高度に的を絞ったターゲット広告をプッシュ配信し、広告収入を無線サービス業者と分け合う手法が詳しく記されている。 サンフランシスコ市の委員会は4月5日、全市に無料ワイヤレスアクセスを提供するGoogleとEarthlinkの提案を採用した(関連記事参照)。同市の通信情報局がEarthlinkおよびGoogleとの契約交渉に入る予定だ。 サービス業者がこの特許に関して魅力を感じるのは、Googleがパーソナライズ広告を配信できるという点だろう。出願書によると、ワイヤレスユーザーへの広告は、「WAPの地理的位置、WAPを提供する事業体の事業に基づき、WAPを提供する事業体により選択され、WAPのプロファイルに基づく」という。 つまりこのようなシステムでは、例えばニューヨーク市の書店が、地元の顧客に新刊の広告を配信できる。おそらくは、顧客のメンバーズカードのプロファイルから調べた購買習慣に合った広告を配信することもできるだろう。また無線ホットスポット業者は特定地域の店舗向けの広告を販売できるだろう。 このプロセスは、技術的には次のような仕組みになっている。無線アクセスポイントがすべてのトラフィックをVPN(バーチャルプライベートネットワーク)経由でGoogleに送信する。Googleのサーバはこの情報を処理して、エンドユーザーに送られるデータストリームに適切な広告を入れる。 この広告はブラウザのツールバーに表示されたり、Webページ間に挿入されたり、コンテンツの一部として表示される可能性がある。 この出願書には、無線アクセス業者と関連したロゴや情報を表示するために、Webブラウザの見た目も変わるかもしれないと記されている。また、顧客は無料の無線アクセスと引き替えに広告を受け取ることに同意するよう求められるという。 この特許は2004年に出願され、3月半ばに米特許商標局(USPTO)により公開された。これによると、ユーザーがWebページ間を移動しなくても、広告をリフレッシュ表示したり変更できるという。 ただしGartnerのアナリスト、トッド・コート氏は、画面いっぱいに広告が表示されることはないと見ている。同氏は、Googleの広告表示インタフェースはGoogle.comと似たものになり、広告はサイドバーに表示されると考えている。広告は控えめに感じられる程度に十分にパーソナライズされるとも同氏は確信している。 Sterling Market Intelligenceの主席アナリスト、グレッグ・スターリング氏も同意見だ。「ユーザーは『モバイル広告』に対して曖昧な態度を取っているか、あるいはこれをまったく望んでいないという証拠が少なからずある。企業はモバイルマーケティングに関して、オンラインマーケティングよりも慎重になる必要があるだろう」 Googleの特許の目的は、企業が無料ワイヤレス接続をコンシューマーに提供すると同時に、そのコストの一部を回収できるようにすることだと記されている。 この特許がサンフランシスコで行使されるのかどうか、Googleは明らかにしていない。 「現時点ではこのサービスからどうやって収益を上げるかは不明だ」とGoogleの広報担当ミーガン・クイン氏は語る。「多くの企業と同様に、当社は社員が考案したさまざまなアイデアを特許出願している。その中には後で実際の製品やサービスになるものもあれば、そうでないものもある」(2006.4.7/IT Media) PR |
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